80年代を記録しておきましょう -神奈川大学 01

1980年代半ばの入学式

昼間部の入学式には、青ヘルメットの「解放派」の方々が本館前に陣取って示威行動を展開していました。

学内にはそれ以外のグループもありましたが、ここまで堂々と、新入生の前に登場するのは彼らだけです。

たしか、竹ざおを持っていたと思います。

「それ以外のグループ」についてですが、たぶん、解放派を刺激しないように配慮していたか、逆に解放派に「入学式では情宣(この場合、新入生の勧誘活動)をするな」と言われていたか、その辺は分かりません。ただ、大学そのものの運営とはあまり関係ないところで、学生相互の独自の政治状況があったことは確かです。

つまり竹ざおと青いヘルメットは、当然のことながら対当局・対権力という意味と、そしてもう1つ対学生(他のグループ)という、両方の意味を持っていたのでしょう。

この頃、まさにバブル一直線。自分もそうですがに、今では信じられないようなバカ学生がわんさかいる中で、一方の象徴とも言える、汚いジャンパー、時代遅れのパターンのジーンズ、タオル覆面でいる彼ら。全共闘運動の生き残り、というイメージでしょうか。

時代が沸く中で、時代遅れは禁物。売れない商品を延々と作り続けているようなものです。

しかし、彼らにシンパシーを抱く新入生もそれなりにはいたと思います。べつにまじめな学生、社会問題を真剣に考える学生、というわけではなく、時代が沸いていくその雰囲気に気色悪さを感じていた普通の学生(という表現が妥当か)です。

私もこの時代が気持ち悪いと思っていました。あみん、とか、DCブランド、とか、キンツマ、とか全然だめでした。

また、「なんでもは無し」という気風の社会の中で、「なんでもあり」を喜ぶ一部の人達も、竹ざおを持つ彼らを、なんとも思っていなかったか、もしくは面白がっていたはずです。

とにかく、入学式のこの示威行動については、「危ない人達なので関わらないようにしよう」と思う学生が99%だったと思います。とは言うものの、残りの1%に賭ける彼らの姿勢は立派でもあります。迎合しない態度や、その意思ですね。

学生相互の政治状況は、おいおい記録していきますが、入学式に登場する解放派の皆さんは、さらに細分化すると「狭間派」と自称し、また「革労協革命的労働者協会)」等と名乗っていたと記憶します。